※この記事は英文法における自動詞・他動詞の解説です。中学国語で習う「自動詞・他動詞(例:開く/開ける)」をお探しの場合は、国語文法の解説サイトをご参照ください。
英語の動詞には自動詞と他動詞があります。
この2つの違いは「直後に目的語を取るかどうか」です。
この記事では、以下の疑問に答えていきます。
- 自動詞と他動詞はどうやって見分けたらいい?
- 自動詞と間違いやすい他動詞は?
- 他動詞と間違いやすい自動詞は?
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覚える前に知っておきたい大前提:英語は「他動詞」が圧倒的多数派
自動詞・他動詞を学習する上で、まず知っておくと効率が良くなる大前提があります。それは、英語の動詞は全体で見ると圧倒的に他動詞の方が多いということです。
つまり、動詞を一つひとつ「これは自動詞、これは他動詞」と丸暗記しようとするのは非効率です。数の少ない「代表的な自動詞」の方を優先的に覚えてしまい、それ以外は基本的に他動詞(=直後に目的語をとる)と考える方が、圧倒的に学習効率が良くなります。
代表的な自動詞には、以下のようなものがあります。
- go(行く)
- come(来る)
- run(走る)
- walk(歩く)
- swim(泳ぐ)
- happen(起こる)
- arrive(到着する)
これらのように「自分一人だけで完結する動作」、言い換えれば「何を?」「何に?」といったツッコミが入らない動詞は自動詞になりやすい傾向があります。この感覚を持っておくと、初めて見る動詞に対しても「たぶん他動詞だろう」という予測が立てやすくなります。
自動詞と他動詞の見分け方&覚え方
他動詞はすぐ後ろに目的語をとりますが、自動詞は目的語の前に前置詞が必要です。
逆に言うと、直後に目的語をとっていれば他動詞、前置詞を挟んで目的語をとっていれば自動詞であるといえます。
- I didn’t reply to her letter(目的語).【自動詞】
- I answered her letter(目的語).【他動詞】
replyは自動詞なので目的語の前に前置詞toが必要ですが、answerは他動詞なので直後に目的語をとっています。
私は文法のイメージを掴むため、自動詞は「自立している動詞」という覚え方をしています。
自立しているから後ろに目的語の支えが無くても大丈夫。
前置詞を挟んで親(目的語)が自立した子供(自動詞)を遠目から見守っているイメージです。
一方、他動詞は「他の支えが必要な動詞」という覚え方です。
まだまだ自立できない子供(他動詞)が親(目的語)に寄っかかっているイメージです。

自動詞と他動詞どちらにも用いる動詞
自動詞と他動詞の区別はつけられるようになったでしょうか?
しかし、「この動詞は自動詞、その動詞は他動詞」というように分類できるわけではありません。
同じ動詞でも後ろに前置詞を挟んで目的語が来れば自動詞に、直後に目的語が来れば他動詞になります。
ここでは1つの動詞が自動詞・他動詞のどちらにもなる代表的なパターンを紹介します。
同じ動詞が前置詞の有無で意味が変わる場合
1つの動詞が前置詞をとる場合ととらない場合で意味の違う場合があります。
- He called on his mother at five.【自動詞】 (彼は5時に母の元を訪れた。)
- He called his mother at five.【他動詞】 (彼は5時に母に電話した。)
1の文でcallは前置詞onを伴って自動詞として用いられています。
このときcall onの意味は「〜を訪れる」になります。
一方2の文でcallは直後に目的語his motherを伴って他動詞として用いられています。
このときcallは「〜に電話する」という意味になります。
同じ動詞が似た意味で自動詞・他動詞に使われる場合
同じ動詞が似た意味で自動詞になる場合と他動詞になる場合があります。
- Pineapples grow in a warm climate.【自動詞】 (パイナップルは温暖な気候で育つ。)
- Mary grows her hair long.【他動詞】 (メアリーは髪を長く伸ばしている。)
上の2つの文でgrowはそれぞれ「育つ」「伸ばす」という似た意味を持っています。
しかし、1では自動詞、2では他動詞として用いられている点に注意です。
- This book has sold five hundred thousand copies.【自動詞】 (この本は50万部売れた。)
- This store sells classy cars.【他動詞】 (この店舗は高級車を売っている。)
こちらも同様に1つの動詞sellが、自動詞としては「売れる」他動詞としては「売る」という意味を持っています。
もう一つ、非常に典型的な例としてstopがあります。
- The train stopped.【自動詞】 (電車が止まった。)
- I stopped the train.【他動詞】 (私は電車を止めた。)
1では「(自然に、あるいは自分の意志で)止まる」という自動詞、2では「(何かを)止める」という他動詞として使われています。日本語に訳すと「止まる」と「止める」のように、自動詞・他動詞に応じて訳し分けが必要になることが多いのもポイントです。
自動詞と勘違いしやすい他動詞
日本語の影響で、本来他動詞として使うべき動詞の後に前置詞を入れて自動詞として用いてしまうミスが多くあります。
試験問題でも頻繁に問われるので典型的なパターンを覚えておきましょう。
誤ってto, intoを入れがちな他動詞
前置詞to, intoは「〜に」と訳されることが多いため、他動詞のあとに誤って置いてしまいがちです。
(誤)He resembles to his mother.
(正)He resembles his mother. (彼は母親に似ている。)
(誤)We reached to the station in two hours.
(正)We reached the station in two hours. (私達は2時間でその駅に到着した。)
(誤)A man approached to the child.
(正)A man approached the child. (男はその子供に近づいた。)
(誤)Many people attended to the meeting.
(正)Many people attended the meeting. (たくさんの人がその会議に出席した。)
(誤)The professor answered to his question.
(正)The professor answered his question.(その教授は彼の質問に答えた。)
(誤)He entered to the store.
(正)He entered the store.(彼はその店に入った。)
誤ってwithを入れがちな他動詞
前置詞withは「〜と」と訳されることが多いため、他動詞のあとに誤って置いてしまいがちです。
(誤)My sister married with her childhood friend.
(正)My sister married her childhood friend.(私の姉は幼馴染と結婚した。)
誤ってaboutを入れがちな他動詞
前置詞aboutは「〜について」と訳されることが多いため、他動詞のあとに誤って置いてしまいがちです。
(誤)They discussed about the problem at the meeting.
(正)They discussed the problem at the meeting.(彼らは会議でその問題について議論した。)
(誤)You must consider about your future.
(正)You must consider your future.(君は将来について考えなくてはいけない。)
他動詞と勘違いしやすい自動詞
ここまでは他動詞として用いるべき動詞を自動詞としてしまうミスを紹介しましたが、反対に自動詞として用いるべき動詞を他動詞としてしまうミスも多くあります。
(誤)We hope your success.
(正)We hope for your success.(私達はあなたの成功を祈っています。)
(誤)He objected her going to the party.
(正)He objected to her going to the party.(彼は彼女がそのパーティーに行くのに反対した。)
(誤)I apologized him for not doing my homework.
(正)I apologized to him for not doing my homework.(私は宿題をやっていないことについて彼に謝った。)
(誤)She agreed me on that point.
(正)She agreed with me on that point.(彼女はその点について私に賛成した。)
(誤)We didn’t have anything to complain the decision.
(正)We didn’t have anything to complain of the decision.(私達はその決定について不満はなかった。)
(誤)He looked our schedule.
(正)He looked at our schedule. (彼は私達の予定を見た。)
(誤)She often listens the radio.
(正)She often listens to the radio. (彼女はよくラジオを聞く。)
よくある質問
Q1. 自動詞・他動詞は暗記するしかないのですか?
すべてを個別に丸暗記する必要はありません。英語は他動詞の方が圧倒的に多いため、まずは代表的な自動詞(go, come, run, happen等)を優先的に覚え、それ以外は「基本的に他動詞」と考えるのが効率的です。そのうえで、間違えやすいパターン(本記事で紹介したもの)を個別に押さえていきましょう。
Q2. 辞書ではどうやって自動詞・他動詞を確認できますか?
英和辞典では、多くの場合見出し語の意味の横に「自」または「他」(辞書によっては[vi]・[vt])という表記があります。知らない動詞に出会ったときは、辞書で自動詞・他動詞のどちらの用法があるかを確認する習慣をつけると、正確な知識が身についていきます。
Q3. 自動詞と他動詞を間違えると、どんな問題が起きますか?
不要な前置詞を入れてしまったり、逆に必要な前置詞を抜かしてしまったりすることで、不自然な英文、あるいは文法的に誤った英文になってしまいます。特にTOEICや英検などの文法問題でも頻出のポイントなので、正確に区別できるようにしておくことが重要です。
Q4. 同じ動詞なのに自動詞と他動詞で意味が変わるのはなぜですか?
英語の動詞は、目的語を直接とるかどうかによって、動作の焦点が変わることがあります。例えばgrowは「(それ自体が)育つ」という自動詞の意味と、「(何かを)育てる・伸ばす」という他動詞の意味を両方持っています。このように、1つの動詞が複数の用法を持つのは英語では珍しくないため、文中でどちらの用法かを都度判断する必要があります。
自動詞・他動詞まとめ
- 見分け方は「目的語を直後にとっているか」
- 英語は他動詞の方が圧倒的に多いため、代表的な自動詞から優先的に覚えるのが効率的
- 同じ動詞でも自動詞になったり他動詞になったりする
- 自動詞として用いるべき動詞、他動詞として用いるべき動詞を覚える
自動詞、他動詞の見分け方や用法は文法問題でよく問われるポイントです。
しっかり学習して使いこなせるようにしましょう。
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