英語多聴のやり方を徹底解説!リスニング力を劇的に向上させる方法

英語学習をしていて「多聴」という言葉を聞いたことはないでしょうか?

その名の通り、たくさん聞くというトレーニングで、多くの英語の達人がこの多聴トレーニングを推奨しています。

とはいえ、具体的な取り組み方やポイントが分からない人も多いのではないでしょうか?

この記事では英語多聴についての疑問に答えていきます。

※この記事は、自分にピッタリの英語コーチが選べるプラットフォーム Coach Fit が監修・お届けしています。

目次

英語の多聴とは?

英語の多聴とは、英語学習において大量の英文を聞くトレーニングです。

多聴トレーニングの目的は、リスニングの処理能力を上昇させることです。

たくさんの音源に触れることで、英語の音に慣れていき音声知覚の能力を向上させたり、耳から入ってくる情報を脳内で素早く処理する能力が向上させたりできます。

精聴との違いは?

シャドーイングやディクテーションなど少量の英文を細部までしっかり聴き込んでいく学習方法を精聴と呼びます。

多聴と精聴の関係を図にすると以下のようになります。

多聴と精聴の違いをマトリクス図にしたもの
多聴と精聴の関係図

精聴と多聴はトレーニングの目的に違いがあります。

精聴は「新しい音声知識の獲得」、多聴は「既存の音声知識の運用能力の向上」が目的となっています。

これは精読と多読の関係と同じです。

精聴では短めの音声を繰り返し聞き「ここは音声変化が起こっていたから聞き取れないんだ」といった新しい音声知識を獲得します。

一方で多聴は次々に新しい音源を聞くことで運用能力が高まり、耳から入ってくる英語から意味を取る処理能力を向上させます。

多聴≠聞き流し

上のマトリクス図を見ると、多聴は「大量の文章を一度だけ聞く」という位置にあり、聞き流しを連想する方も多いかもしれません。

勘違いされがちですが、多聴と聞き流しは別物です。

多聴トレーニングでは

  • 7割程度聞き取れるレベルの音源
  • 字幕を見る

という状況でトレーニングするため、頭をフル回転させながら英語の意味を取っていきます。

一方聞き流しは字幕を見ずにほとんど意味をわかっていないレベルの英文を流しているだけの状態になります。

当然脳は動かないため学習効果は非常に薄いです。

聞き流しの効果がないといえる理由については以下の記事で詳しく解説しています。

英語多聴の効果は?

英語のリスニング時には「音声知覚」と「意味理解」という2つのプロセスが存在します。

音声知覚とは聞こえてきた英語の音声を正確に聞き取るプロセスで、意味理解とは聞き取った音声の意味を解釈するプロセスです。

第二言語習得理論におけるリスニングのプロセス

上の図はリスニング時の処理のプロセスを図式化したものです。

ここからは、多聴がリスニング力の向上においてどんな効果があるのかを解説していきます。

英語多聴の効果は以下のとおりです。

  1. 音声知覚が自動化される
  2. 正しい発音・音声変化の知識が身につく
  3. 7割の解釈ができるようになる

音声知覚が自動化される

大量の音声に触れることで音声知覚の回路が鍛えられ、耳から入ってきた英語が脳内で文字起こしされるまでの時間が短くなります。

音声知覚が自動化されていないと、読めばわかるレベルの文章でも聞き取りが間に合わなくなってしまいます。

音声知覚が自動化されていない場合
Let’s… start… by ???

音声知覚が自動化されている場合
Let’s start by reviewing the project timeline and key milestones.

多聴トレーニングを行うことで、既存の音声知識をフル活用して音声を聞き取る回路を鍛えられるため、音声知覚を自動化して聞き取りのレベルを高めることができます。

正しい発音・音声変化の知識が身につく

私は多聴のときにスクリプト(字幕)をセットで見ることをおすすめしています。

自分が聞き取った音がスクリプトの内容と一致していることを確認しながら進めることで、自分の脳内にある発音知識が正確になっていきます

例えば例えば以下のリスニングの字幕から「migrate」の発音がカタカナの「マイグレート」から英語らしい「mάɪgreɪt」という発音であることが学習できます。

これを繰り返すことで徐々に初見でも/mάɪgreɪt/と読まれた瞬間にmigrateが頭に浮かぶようになります。

YouTubeでリスニングの音声とともに字幕を表示している様子を写したスクリーンショット
YouTubeより引用

7割の解釈ができるようになる

リスニングでは7割でも構わないので、全体の意図を解釈することが大切です。

多聴トレーニングによって、初見の英文でも全体の7割程度を聞き取って意味を解釈できるようになります。

リーディングでも同じで、試験で一言一句正確に文章の意味が取れるわけではなくとも全体の文意を取って、問題に解答できると思います。

しかし、リスニングになると少しでも聞き取れないところが出てくると「今なんて言ったんだ?」と考え込んでそれ以降の情報が入ってこないということになりがちです。

学習の初期は精聴で丁寧に聞き取れる音声を増やしていく事が重要ですが、徐々に細部を気にせずに7割聞き取れればOKという気持ちで新しい英文の聞き取りにチャレンジしていきましょう

英語の多聴のやり方は?

多聴のやり方は以下のステップです。

STEP
初見で7割聞き取れる教材を選ぶ
  • 初めて聞いた時点で7割聞き取れるレベルの教材を選ぶ
  • 簡単すぎる分にはOK。半分も聞き取れないものは避ける
STEP
音声だけを聞く
  • スクリプトを見ずに音声だけで意味まで考える
  • はじめは1分程度から始める
STEP
スクリプトを見ながら音声を聞く
  • 一度音声だけで聞いたものをスクリプトを見ながらもう一度聞く

英語の多聴を効果的に行うコツは?

英語の多聴を効果的に行うコツは以下のとおりです。

  1. 先に発音を勉強する
  2. つまらない音源は使わない
  3. スクリプトのある教材を選ぶ
  4. 簡単すぎるレベルから始める
  5. 慣れてきたら倍速再生にも挑戦する

先に発音を勉強する

多聴をはじめる前に、もし発音知識がない場合は先にそちらを体系的に学習することをおすすめします。

具体的には以下の2つを先に学習することで、その後の多聴トレーニングの効果を劇的に向上させることができます。

  • 母音・子音の発音
  • 音声変化

例えば、get out ofが「ゲット アウト オブ」と読まれず「ゲラウロブ」と読まれるのは音声変化のせいです。

このとき音声変化の知識がないと「なぜそのような発音になるのか?」が分からず応用が効かなくなります。

文法を知らないのに、英文構造の解説を聞いても学習効果が薄いのと同じです。

最低限の発音の知識は1ヶ月もあれば身につきますから、勉強してから多聴に移りましょう。

発音の学習方法・オススメ教材は以下の記事で解説しています。

つまらない音源は使わない

興味のない音源での練習は控えましょう

この世には無限に音源があるわけですから、わざわざやる気を削ぐようなつまらない音源での学習は不要です。

テキスト・アプリ・サイトなどから自分の好きな教材を選んでの学習がおすすめです。

反対に「教材らしい教材」が好きな方や、聞き取れる音のレベルがゆっくりでなかなか合う教材が見つからない場合は多少つまらなくても市販の教材で勉強するのもアリです。

スクリプトのある教材を選ぶ

多聴の目的は音声知覚を正確にすることです。

スクリプトがないと、そもそも自分が聞き取れなかった英文が何と言っていたのか分からないため、復習が出来ません。

ほとんどの教材にスクリプトがついていますが、自分で好きな音源を選ぶときなどにはスクリプトを手元に用意しましょう

簡単すぎるレベルから始める

第二言語習得論において、多聴の教材レベルは「実力−1」が適切だとされています。

初見でスクリプトがない状態で7割程度聞き取れるものがベストです。

練習していけば徐々に初見でも聞き取れる音が増えていきますから、少し簡単すぎるくらいの音源レベルでスタートしましょう。

私自身TOEICスコアが860のときに学び直しをはじめましたが、中学の教科書レベル(WPM130)程度の英文が適正でした。

特に学校教育を受けた日本人は、英語を読んだ量に比べて聞いた量が圧倒的に少ないです。

ご自身の学生時代を振り返ってみてください。

学校で英文を正確に読んでいく作業や、宿題で音読があっても、学校や家での宿題でリスニングをやった思い出はほとんどないのではないでしょうか?

ですから、プライドを捨てて思っているよりも簡単なレベルから多聴をしましょう

慣れてきたら倍速再生にも挑戦する

多聴に慣れて、通常速度の音源で7割以上聞き取れるようになってきたら、倍速再生(1.2〜1.5倍速程度)にも挑戦してみましょう

TOEICの音源や実際のネイティブ同士の会話は、想像以上に速いスピードで展開されます。普段から少し速いスピードの音に耳を慣らしておくことで、本番や実際の会話でのスピード感に驚かなくなります。

ただし、倍速再生はあくまで「耳が十分に慣れてきた段階での応用トレーニング」です。まだ通常速度でも聞き取りに苦労している段階で倍速に挑戦すると、ただの雑音になってしまい逆効果なので、順番を守って取り入れましょう。

精聴と組み合わせて学習効果を最大化する

多聴は「運用能力の向上」、精聴は「新しい音声知識の獲得」とそれぞれ役割が異なるため、どちらか一方だけでなく、組み合わせて学習することでリスニング力の伸びが加速します

具体的には、以下のような組み合わせ方がおすすめです。

多聴と精聴の組み合わせの例
多聴と精聴の組み合わせの例
  • 朝は精聴、夜は多聴
    頭が冴えている時間帯に集中力が必要な精聴を行い、リラックスできる時間帯に多聴で耳を休ませながら英語に触れる、という組み合わせです。
  • 1日1素材の精聴+1時間の多聴
    短い音声を1つ選んで精聴でじっくり仕上げ、その後は別の音源を多聴でたくさん聞く、という組み合わせです。

どちらのパターンも、精聴で得た「音の知識」を、多聴の中でたくさんの新しい英文に触れながら実際に運用してみる、という関係性になっています。精聴だけでは応用力が、多聴だけでは新しい知識のインプットが不足しがちなので、両方をバランスよく取り入れることを意識してみてください。

英語の多聴におすすめの教材・サービスは?

英語の多聴におすすめの教材・サービスは以下のとおりです。

  1. YouTube(アプリ)
  2. Voice Tube(アプリ)
  3. VOA(アプリ)
  4. 速読速聴・英単語 Core 1900(テキスト)
  5. abceed(有料アプリ)

YouTube(アプリ)

YouTubeのスクリーンショット
YouTubeより引用

YouTubeは世界最大の動画プラットフォームで、英語のコンテンツも数多く視聴できます。

無料で世界中の動画にアクセスできるため、多聴の素材探しにもうってつけです。

Voice Tube(アプリ)

Voice Tubeアプリのスクリーンショット
Voice Tubeより引用

Voice TubeはYouTubeの動画を英語学習しやすいようにアレンジした動画が視聴できるプラットフォームです。

動画の本数は限られますが、無料で日英字幕を同時表示できたり、リスニングの難易度で検索のフィルターをかけることができたりと学習者が使いやすいように配慮されているのが特徴です。

VOA(アプリ)

VOAVoice of Americaというアメリカのメディアが運営している学習者向けのレベル別プログラムです。

レベル別の時事ニュースがAIではなく、人間の音声で吹き込まれているので非常に実践的なリスニングトレーニングが可能です。

ニュース音声はスピードが速いことが多いですが、VOAではスピーカーが学習者向けにゆっくり目に喋ってくれているので、スロー再生したときの不自然さもなくレベルに合ったスピードで学習できます。

速読速聴・英単語 Core 1900(テキスト)

Core1900の表紙画像
Amazon商品画像より引用

速読速聴・英単語 Core 1900は文脈型の単語帳ですが、95本の英語音声がスクリプトとともに掲載されており多聴教材としても有用です。

扱うトピックが社会的で、堅い内容のものが多く、単語のレベルも標準〜やや難くらいのレベル感です。

abceed(有料アプリ)

英語学習アプリabceedのHP画像
abceed HPより引用

abceedはTOEIC対策メインの有料アプリですが、実は多聴学習をする際も最高のパフォーマンスを発揮します。

abceedでは人気のドラマや映画を英語教材として視聴することができます。

一見Netflixなどの映像サブスクと同じ仕様に見えますが、英語学習がしやすいようにさまざまな工夫がなされています
一般的な映像サブスクサービスとの機能の違いは以下の点です。

  • 日本語字幕と英語字幕の同時表示
  • フレーズごとの巻き戻し・スキップ
  • 簡易辞書の表示
  • フレーズのお気に入り登録
  • 再生スピードの調節

まず字幕が日本語と英語の両方を同時に表示できるため、映像で登場した英語のフレーズの意味を即座に確認することができます
映像作品の流し見や聞き流しは科学的に効果がないことがすでに分かっていますが、この機能により自分でいちいち調べなくてもフレーズや文章の意味を逐次確認できるため「意味を理解したインプット」を楽しみながら実現することができるのです。

英語学習アプリabceedの映像教材で英日の2種類の字幕を同時に表示
日英の字幕を同時に表示

次に映像の字幕で表示されたフレーズ単位でかんたんに巻き戻し・スキップをすることができます
通常の映像サブスクでは「5秒進める」「10秒戻す」など秒数やスワイプで再生位置を調整しますが、abceedではフレーズ単位で映像を戻したり進めたりできるため、「直前(直後)のフレーズをもう一度聞きたい」といったときに大活躍する機能です。

英語学習アプリabceedの映像教材でワンタッチで前後のフレーズに移動している様子
ワンタッチで前後のフレーズに移動可能

日本語字幕の表示機能は便利ですが、そもそもの単語の意味をもう少し深く理解したい、辞書的な意味を確認したい、というときには画面上の簡易辞書をタップするだけでフレーズに含まれる語彙の意味を簡易的に確認できます

英語学習アプリabceedの映像教材で簡易辞書を開いている様子
ワンタッチでストレスフリーに辞書で意味をチェック

映像のすべてのフレーズがフレーズ単位で管理されているため、知らない語彙が含まれるフレーズや繰り返し視聴したいフレーズをお気に入り登録することで一覧で確認することができます
あとでお気に入りのフレーズの部分だけを復習するときなどに便利な機能です。

英語学習アプリabceedの映像教材でお気に入り登録したフレーズを一覧で表示している様子
お気に入り登録したフレーズを一覧で確認&タッチすれば該当のシーンまで移動可能

再生スピードも×0.5~×2.0まで自由に設定できるので聴き取りづらい箇所などを0.5倍速にして聞き返すなどリスニング教材として申し分のない使い方ができます。

英語学習アプリabceedの映像教材で再生速度を調節している様子
0.5~2.0倍まで再生速度を調節可能

まとめ

英語多聴は大量の英文を聞くことで耳から英語を聞き、理解するトレーニングです。

音声を正しく聞き取ったり、聞き取った英文の意味を文字を介さずに理解したりすることでリスニングの実践力がつきます。

発音を勉強したうえで、スクリプト付きの教材で興味のあるものをどんどん多聴していきましょう。

多聴では初見で7割理解できるレベルの教材がベストです。

簡単すぎるのではないか?というレベルから始めるのがポイントです。

慣れてきたら倍速再生にも挑戦しつつ、精聴と組み合わせることでリスニング力の伸びをさらに加速させることができます。

なんとなく続けてるけど、手応えがない。

「英語力の成長が止まってる気がする…」

それ、”やり方”のせいかもしれません。

今すぐ【あなたの学習タイプ】をチェックして、“最短ルート”の英語学習を見つけましょう。

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この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

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