英語リスニングで「わかっているのに」集中できない・すぐ忘れる原因と対策

「英語の音は聞き取れているし、意味も分かる。なのに、気づけば違うことを考えていて、話についていけなくなっている」

「リスニング中は理解できていたはずなのに、少し経ってから振り返ると『今、何て言ってたっけ?』と内容が思い出せない」

こうした悩みは、単語や文法が分からずに「そもそも英語が聞き取れない」というリスニングの悩みとは、実は原因も対策もまったく別物です。この記事では、理解はできているのに、集中が続かない・記憶に残らないという2つの悩みにしぼって、原因とその対策を解説します。

※この記事は、自分にピッタリの英語コーチが選べるプラットフォーム Coach Fit が監修・お届けしています。

目次

まず確認:その悩みは「聞き取れない」?それとも「集中できない・忘れる」?

同じ「リスニングが苦手」でも、実は原因が異なる2種類の悩みが混同されがちです。次の質問で、自分がどちらに近いか確認してみてください。

スクリプト(英文の台本)を目で読んだとき、意味が分かりますか?

図にすると、次のような違いになります。

そもそも聞き取れない場合と、理解できているのに集中・記憶で悩む場合の違い
そもそも聞き取れない場合と、理解できているのに集中・記憶で悩む場合の違い

なぜ「わかっているのに」起きるのか:脳のリソースの奪い合い

母国語である日本語を聞くとき、私たちは音を意味に変換する作業をほぼ無意識・無努力で行っています。だからこそ、聞きながら他のことを考えたり、後から内容を正確に思い出したりする余裕があります。

一方、学習途中の英語では、音を意味に変換する処理そのものにまだ意識的な努力が必要です。この「聞き取って理解する」という作業に脳のリソースの多くが割かれてしまうため、

  • 注意を持続させる余力が残らず、途中で集中が切れる
  • 情報を記憶にとどめておく余力が残らず、理解した端から忘れていく

という2つの症状が、実は同じ「脳のリソース不足」という1つの根っこから出ています。英語の処理が自動化されていくにつれて、この余力は少しずつ増えていきます。

日本語を聞くときと学習中の英語を聞くときで、脳のリソースの使われ方がどう違うか
日本語を聞くときと学習中の英語を聞くときで、脳のリソースの使われ方がどう違うか

集中できない場合の原因と対策

原因1:素材の難易度が合っていない

簡単すぎる素材は「聞かなくても分かる」状態になり、脳が退屈して他のことを考え始めます。逆に難しすぎる素材は、分からない部分が続くことで脳が処理を諦めてしまい、そこから先は音が右から左に流れるだけになります。

対策:初見で7〜8割程度理解できる素材を選ぶこと。「ちょっと頑張れば分かる」くらいの負荷が、もっとも集中を保ちやすい難易度です。

原因2:「聞くだけ」の受け身な姿勢になっている

目的を持たずにただ聞き流していると、脳は積極的に処理をする必要がないと判断し、注意が向かなくなります。

対策:聞く前に「小さな課題」を1つ決めてから再生することです。

  • 話者が最終的に何を伝えたいのか、一文で要約する
  • 出てくる数字や固有名詞をすべて拾う
  • 賛成意見と反対意見を分けてメモする

このように「聞きながら何かを探す」姿勢に変えるだけで、受け身の聞き方から能動的な聞き方に変わります。

原因3:ぶっ通しで聞き続けている

英語を処理し続ける集中力には限界があります。特に学習初期〜中期の段階では、5〜10分もすると集中力が落ちてくるのが自然です。

対策:無理に長時間聞き続けず、5〜10分区切りで一度止めて休憩を挟む、あるいは内容を振り返る時間を作ることで、1回あたりの集中の質を保てます。

忘れてしまう場合の原因と対策

原因1:頭の中で日本語に訳しながら聞いている

聞こえた英語をいったん日本語に置き換えてから理解しようとすると、「英語を聞く」「日本語に訳す」「意味を保持する」という3つの作業を同時に行うことになり、記憶に回せる余力がすぐに尽きてしまいます。

対策:英語の語順のまま、意味のまとまり(チャンク)ごとに理解する練習が効果的です。訳す作業そのものをなくすことで、記憶に使えるリソースが増えます。チャンクの具体的な鍛え方は以下の記事でも解説しています。

原因2:メモを取らずに聞いている

リスニング中の記憶は、放っておくと数秒〜数十秒で急速に失われていきます。何もメモを残さないと、新しい情報が入ってくるたびに前の情報が押し出されてしまいます。

対策:一言一句を書き取る必要はありません。数字・固有名詞・キーワードだけを記号的に書き留める簡易メモで十分です。「→」で因果関係を、「vs」で対立関係を表すなど、自分なりの省略記号を決めておくと、聞きながらでも負担なく書けます。

原因3:聞きっぱなしで振り返っていない

聞いた直後に内容を再現しようとせず次の教材に移ってしまうと、記憶に定着させる工程がないまま学習が終わってしまいます。

対策:1つの音声を聞き終えたら、スクリプトを見ずに「今聞いた内容を自分の言葉で説明してみる」時間を必ず作ることです。うまく言えない部分こそ、記憶に残っていなかった箇所です。

集中力・記憶力そのものを底上げする2つのトレーニング

原因別の対策に加えて、集中力と記憶力そのものを鍛えるトレーニングも紹介します。

リテンション・リピーティング

音声を1文だけ聞いたら一時停止し、スクリプトを見ずに聞こえた内容をそのまま言い直します。シャドーイングと違い、音声を聞きながら同時に発音するのではなく、いったん頭の中に情報を保持してから再生するという点がポイントです。これを繰り返すことで、情報を数秒間保持する力そのものが鍛えられます。

サマライジング

1段落分(30秒〜1分程度)を聞いたら、内容を1〜2文で要約します。細部を覚えることが目的ではなく、要点を掴んで保持する練習です。最初は日本語での要約から始め、慣れてきたら英語でも挑戦してみてください。

それでも改善しないときは:独学の限界

ここまでの対策を試しても、次のような壁にぶつかることがあります。

  • 自分では「集中できていない」原因が、注意の問題なのか、実は理解が追いついていないことの裏返しなのか、切り分けが難しい
  • メモの取り方やサマライジングの精度が、自己流のままで合っているのか判断できない
  • どのくらいの難易度の素材が「ちょっと頑張れば分かる」レベルなのか、自分の実力を客観視しづらい

こうした「自分では見えない部分」を外部の目に任せられるのが、英語コーチングという選択肢です。プロのコーチが実際のリスニングやメモの取り方を見て、集中が切れているタイミングや、記憶に残らない原因がどこにあるのかを具体的に指摘してくれます。

その中でもCoach Fitは、担当コーチが運営側の采配で決まる「コーチガチャ」がないのが特徴です。プロフィールや紹介動画を見て指導スタイルを確認したうえで、リスニング指導を得意とするコーチを自分で指名できます。月額33,000円(税込)〜と、大手コーチングの数分の一の価格帯で、日々の学習に対するフィードバックを受けられます。

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よくある質問

英語以外でも集中力が続かない気がします。それでもこの記事の対策は当てはまりますか?

日常生活や日本語の読書などでは集中が続くのに、英語を聞くときだけ集中が切れるという場合は、集中力そのものよりも、英語処理にかかる負荷が原因である可能性が高いです。まずは素材の難易度を見直すところから試してみてください。

メモを取ると、かえって聞くことに集中できなくなりませんか?

慣れないうちはその感覚があって当然です。最初は「数字だけ拾う」など、書く量を極端に減らしたメモから始め、徐々に書ける情報を増やしていくと、聞くこととメモを取ることを同時に処理する感覚がつかめてきます。

リテンション・リピーティングとシャドーイングは、どちらを優先すべきですか?

音そのものが聞き取れない・発音が分からないという悩みが強い場合はシャドーイング、聞こえてはいるのに記憶に残らないという悩みが強い場合はリテンション・リピーティングが向いています。両方の悩みがある場合は、シャドーイングで音に慣れてから、リテンション・リピーティングに移行する順番がおすすめです。

まとめ

英語リスニングで「わかっているのに集中できない」「聞いた内容をすぐ忘れる」という悩みは、単語や文法が分からずに聞き取れない悩みとは別の原因から起きています。英語の処理そのものにまだ脳のリソースが多く使われているため、注意や記憶に回す余力が不足している状態です。

  1. 素材の難易度・聞き方の姿勢・聞く時間の長さを見直して集中の土台を作る
  2. チャンクでの理解・簡易メモ・振り返りの習慣で記憶に残す工程を増やす
  3. リテンション・リピーティングやサマライジングで、集中力・記憶力そのものを鍛える

それでも自己診断や振り返りの精度に限界を感じたときは、プロのコーチに客観的な目で見てもらうことも選択肢に入れてみてください。

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この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

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